御城プロジェクト:RE Wiki
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討伐武将大兜!伊達政宗[]

討伐武将大兜!伊達政宗-前-

伊達政宗の名を冠する巨大兜との戦から数週間後。
清浄なる気と、穏やかな風が吹く所領内で、
虎臥城は大好きな姉との再会を果たすのだが……。

前半
桃形兜

――報告! 報告ニゴザリマスル!

兜軍団
別働隊ノ調査ニヨレバ、
我々ガ探シ求メテイタ名刀ハ、
陸奥ノ地ニ秘サレテイルトノコトデス!

伊達政宗
ヤハリ、そうか……。

伊達政宗
…………。

伊達政宗
イイだろう。真偽ヲ定むるヨリも今は実際に
当地ヘト向かわん。貴様らモ準備せよッ!

兜軍団
――ハッ!
承知仕リマシテゴザイマス!!

伊達政宗
…………。

烏帽子形兜
……政宗様。
イササカ性急ニ過ギルノデハアリマセヌカ?

伊達政宗
性急、ダト?

伊達政宗
馬鹿めが……此世の歪な理ノ裡に含まれシ我らに
急くことデ誹られる事柄などアルわけがなかろう……。

烏帽子形兜
デ、デスガ……! 武具ナラバ既ニ存分、
貴方様ハ備エテイルヨウニ見受ケラレマス!

烏帽子形兜
政宗様……何ヲ然様ニ焦ル必要ガアリマショウカ?

伊達政宗
…………。

烏帽子形兜
…………。

伊達政宗
ソンナ顔ヲするな……。

伊達政宗
……俺トテ解シテいる。

伊達政宗
それでも小十郎ヲ失ッタ今、少シでも虚ろを埋めネバならぬノダ。

烏帽子形兜
其レガタトエ、貴方様ニ縁ナキ物デアロウト……デスカ?

伊達政宗
……是。

烏帽子形兜
…………。

烏帽子形兜
承知致シマシタ……。
聡明ナル貴方様ノ言デス。私達ハ只従イマショウ。

烏帽子形兜
ドウカ……先ノ失言ヲオ許シクダサレ。
デハ…………――――。

伊達政宗
…………。

伊達政宗
(解っテいる……解っていルのだ……)

伊達政宗
(モウ……俺ニ残された刻ガ僅かだというコトを……)

伊達政宗
(ならば、僅かでも此世ノ理カラ外れる行ヲ取ルコトコソガ)

伊達政宗
(此ノ虚魂ヲ宿した器として相応シいはず…………)

伊達政宗
そうダロウ、小十郎?

――数日後。

千狐
殿、どうやら此処が報告にあった地点のようですわ!

殿
…………!


侵攻セヨ……侵攻セヨ……。

兜軍団
侵攻セヨ……侵攻セヨ……。
   侵攻セヨ……侵攻セヨ……。
      侵攻セヨ……侵攻セヨ……。

柳川城
何という数でしょうか……。
ざっと見ても、報された倍はいるかと。

やくも
けんど、何だか動きがおかしいだに……。

やくも
誰かを傷つけるってよりも、何かを探してるって感じに見えーがや。

千狐
言われてみれば確かに……。

千狐
とはいえヤツらの狙いが如何なものであろうと、
此地に災いをもたらすことには変わりないわ。

千狐
すぐにでも兜たちを止めないと――

千狐
――ッ!?

伊達政宗
フッ……やはり来タカ、殿よ。

柳川城
貴方は……伊達政宗の名を冠する巨大兜!?

千狐
見たところ近習であった片倉小十郎の名を
冠する巨大兜は一緒ではないようですね……。

やくも
なら、何度も戦った相手やけん、負けるはずないだに!
今回もばばっと追っ払うがや!

柳川城
殿、すぐに出陣のご準備を!
これ以上、兜たちに此地を好き勝手させるわけにはいきません!

後半
柳川城

覚悟してください……この一撃は避けられませんよッ!!

伊達政宗
――クッ、ぁ……ッ!!

伊達政宗
流石……ヤルでは、ないか……柳川城……。

伊達政宗
カツテの貴様とは比べものにナラヌ程ノ武威ダ……。

柳川城
貴方とはこれまでに幾度も戦ってきたのですから、
相応の戦い方が身につかねば嘘になりましょう。

柳川城
(けれど、それを差し引いたとして……此度の巨大兜には覇気が感じられない)

柳川城
(片割れを失ったことで、弱体化したのか……それとも――)

やくも
すごいだに、柳川城!
思ったとおり巨大兜さんを圧倒しちょーがや!

千狐
手の内を知っているからこその立ち回りが
我らにとっての有利になっているのですわ!

伊達政宗
ソウ……手ノ内ヲ知っているからコソ、特殊な戦法を取るコトガできる……。

伊達政宗
……ガ。

伊達政宗
ソレハ此方とて同じコト……。
慣レとは実に恐ろしきモノよな。

柳川城
え……?

伊達政宗
――――今だッ!!
鉄砲隊! 城娘たちを殲滅セヨ!

烏帽子形兜
御意ッ!!

鉄砲隊
敵ノ背ニ鉛玉ノ雨ヲ浴ビセテクレヨウゾ!
歩兵隊モ、我ラニ併セ進軍セヨォッ!!

兜軍団
オォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

千狐
そんな……背後に敵影が!?

柳川城
くっ……驕ったつもりはありませんでしたが、
まさかあれほどまでの伏兵を隠していたとは!

やくも
ど、どうするがや!?
このままじゃ全滅だにぃ!!

伊達政宗
フゥハハハハハハハハハハハハハハハ――ッ!
俺ノ剣技のみを警戒したのがアダになったな!

伊達政宗
さぁ、覚悟を決スルは今ぞ、殿!
此度コソ貴様らを滅シテくれるわ!!


討伐武将大兜!伊達政宗-後-

伊達政宗の名を冠する巨大兜の合図と共に、
鉄砲隊を始めとした伏兵たちが姿を現す。
一転して窮地に陥った殿たちに勝機はあるのか!?

前半
伊達政宗

さぁ、覚悟を決スルは今ぞ、殿!
此度コソ貴様らを滅シテくれるわ!!

殿
…………!?

柳川城
殿――ッ!!

柳川城
(そんな……ここからでは、間に合わないッ!?)

???
――だいじょうーぶっ!
あたしが来たからには貴方の主には怪我一つさせないよ!

柳川城
……なッ!?

???
行こうぜ、相棒――ッ!
でりゃぁぁぁあああああ!!

鉄砲隊
バ、馬鹿ナッ! 我ラノ銃弾ヲ全テ防イダダト!?

伊達政宗
き、貴様――ッ! いったい何者だ!?

???
ふふ、誰と訊かれちゃ答えないわけにはいかないよね!

虎臥城
我こそは天空の異名を備えし城娘がひとり――虎臥城だッ!

虎臥城
お姉ちゃんに代わって、殿っちをお助けしに来たよ!

虎臥城
がおーんっ!!

殿
…………!

伊達政宗
虎臥城……ダト!?

伊達政宗
(有り得ぬ……此地とヤツとでは縁が浅すギルではないか!?)

伊達政宗
(だ……ダガ、先の氏康軍ノ話が真実ダッタトすれば……)

伊達政宗
…………。

伊達政宗
――クッ、ククク……奇怪な。
ナンとも馬鹿げた世理デハナイカ。

伊達政宗
己ノ存在ガ此地ノ縁スラモ崩じさせルトは……。
最早、此世に我ら兜が整合を求メルなど笑止。

虎臥城
……ッ!?

伊達政宗
――イイだろう、赤松ノ城娘よ!
今此刻にオイテ互いの間に奇異ナル縁が結ばれたのナラバ!

伊達政宗
殿もろトモ打倒し、貴様が守護する名刀、
獅子王すらも我がモノとしてくれるわッ!!

虎臥城
ふんっ! そんなこと、このあたしが許すとおもってるの?

虎臥城
だいたい獅子王ちゃんは、お姉ちゃんが護ってるんだ。
あんたみたいなヤツにどうこうできるわけないじゃん!!

殿
…………!

虎臥城
――っとと、そうだったね!
いまは兜退治が優先すべき事柄だった!

虎臥城
殿っち、柳川城ちゃん! お姉ちゃんから色々と話は聞いてるよ!
詳しい話は後でするから、今はとにかく一緒に戦うんだ!

柳川城
は、はい!

柳川城
虎臥城さん、貴方のその武勇を……我らにお貸しください!

虎臥城
あいよぉ!!

虎臥城
それじゃあ、いこうか相棒!

虎臥城
あたしたちの力、今こそ見せつけてやろうぜ!!

後半
虎臥城

がお~~~んっ!! これが天空城の実力だぁ!!

伊達政宗
ガ、ハッ……ソンナ、馬鹿……ナ……ッ!!

虎臥城
今だよ、柳川城ちゃん! とどめをさすんだ!

柳川城
はいっ! お任せください!

伊達政宗
…………クッ!!

――ヤハリ俺だけでは、無理なのカ……小十郎?

???
政宗様ッ! 

伊達政宗
…………!?

烏帽子形兜
此処ハ我ラガ引キ受ケマス!
ドウカ……オ逃ゲクダサレ!

伊達政宗
貴様……どうシテ……?

烏帽子形兜
私ハ……。

烏帽子形兜
私ハ……小十郎様ヨリ、予テカラ命ジラレテイマシタ……。

烏帽子形兜
政宗様ガ自暴自棄タル行ニテ無理ヲサレル時アラバ、
身ヲ賭シテ護ルベキ主ノ盾トナレ……ト。

伊達政宗
…………。

――失ってナド、いなかっタ。

ヤツの意志も……ソシテ、仲間タチも……。

ならば……モウ……俺に残サレタ道は……――。

烏帽子形兜
――政宗様!!
此時ニ惑イハ無用! ドウカ御決断ヲ!

伊達政宗
ああ……………………撤退シヨウ。

伊達政宗
だが、礼は言ワヌゾ……。

伊達政宗
貴様の忠心には、いずれ果タサれん勝利ト……。

伊達政宗
殿ノ首級を以テ……報いてミセよう……。

烏帽子形兜
エエ……ソレデコソ政宗様ニゴザリマスル!

烏帽子形兜
サァ、オハヤク! 我ラデハ、ソウ長ク保チマセヌ故!

伊達政宗
―――――。

千狐
きょ、巨大兜が単身で退いていきますわ!

やくも
せっかく追い詰めたのに、ここで逃がしちゃってええんかや!?

虎臥城
口惜しいけど、無理な深追いは無用だよ!

虎臥城
どうせ、あの巨大兜に満足な力は残されてないからね。

虎臥城
それよりも今は、此地に残る兜たちをお掃除しなきゃ!
柳川城ちゃん、もう少しだけ頑張れる?

柳川城
は、はいっ!!

――半刻後。

虎臥城
ふぅ、どうにか無事に此地を救えたようだね。

虎臥城
とりあえず、みんなに怪我がなくてよかったよ♪

柳川城
ありがとうございます、虎臥城さん。
貴方の協力がなければ今頃どうなっていたことか……。

虎臥城
あはは、そんなに畏まらなくていいってば。
あたしはお姉ちゃんに頼まれて来ただけだからね。

千狐
そういえば、先程から仰られている
虎臥城さんのお姉様とはいったい何方なのでしょうか?

虎臥城
あっ……そっか。そうだったね。
兜たちを相手にしてたから言いそびれちゃってたよ。

虎臥城
改めまして、あたしの名は虎臥城。

虎臥城
竹田城を姉にもつ、但馬の城娘なんだ。

やくも
竹田城って……あのぼぉ~っとした城娘さんのことがや?

虎臥城
そうそう、いっつも雲をみつめて、ぬぼぽぽぽぉ~ってしてる城娘――

虎臥城
――って、その言い方はちょっと失礼じゃないかなぁ?

やくも
いや、あんたもにこにこしながら同意してただに……。

千狐
いずれにせよ、
此度は危ないところを助けていただき、
ありがとうございました。

千狐
この御礼は、所領にいらした際にさせていただきますわ。

虎臥城
んー。別に見返りを求めて手を貸したわけじゃないんだけど……。

虎臥城
でも、そうだね。お姉ちゃんがお世話になってるみたいだし、
噂の殿っちたちが根城にしているところも、この目で見てみたいから、

虎臥城
近々、きみたちの所領にお邪魔させてもらうことにするよ!

殿
…………。

虎臥城
それじゃ、あたしはまだ他にも
手を貸さなきゃいけない城娘たちがいるから、
今日のところは、これで失礼するね!

虎臥城
じゃあ、まったねー!

千狐
あ……行ってしまいましたね。

柳川城
もう少しゆっくりと話せればよかったのですが……。

やくも
だにぃ……。
それに姉とは似ても似つかぬ性格だったがや。

殿
…………。

千狐
そうですね。虎臥城さんが所領に
訪れる日を愉しみに待つことにしましょう。

千狐
それでは殿、帰還するとしましょう!
此度の遠征も本当にお疲れ様でした。


討伐武将大兜!伊達政宗-絶-

伊達政宗の名を冠する巨大兜との戦から数週間後。
清浄なる気と、穏やかな風が吹く所領内で、
虎臥城は大好きな姉との再会を果たすのだが……。

前半
――伊達政宗の名を冠する巨大兜との戦から数週間後。

虎臥城
ほほぉ、これが殿っちたちの所領かぁ。
お姉ちゃんからのお手紙通り、広い場所だねぇ。

虎臥城
山嶺から気持ちのいい風も吹いてるしぃ……。
ふふっ、こりゃあみんなが気に入るわけだ。

???
虎臥ちゃん、虎臥ちゃん……。

虎臥城
――ん?
何かいま、呼ばれたような気が……?

竹田城
……こっちだよ、こっち。

虎臥城
あ……。

虎臥城
あぁぁ~っ!!

虎臥城
お姉ちゃ~~~~んっ!!

虎臥城
久しぶりぃ、会えて嬉しいよぉ~!!
もしかして出迎えに来てくれたのぉ?

竹田城
うん……。

竹田城
えっとね……千狐さんたちに、
お部屋も茶菓子も用意してもらったから、

竹田城
お姉ちゃんの後に、ついてきてくれる?

虎臥城
うんうんっ! いくいくーっ!

――所領・屋内。

虎臥城
うわぁっ、すっごい眺めだねーっ!
ここから所領が一望できるよぉ!

竹田城
ふふっ、虎臥ちゃんも……気に入ってくれたみたいでよかった。

竹田城
私も、ここ……すごく好きな場所だから、

竹田城
今日は招待できて、本当に嬉しい……。

虎臥城
えへへ、昔っからお姉ちゃんは
空に近い場所が大好きだもんね。

竹田城
……うん。

竹田城
だからね……朝起きて、ここから雲を見始めると
いつのまにか、一日が終わっちゃってることもあるの。

虎臥城
い、いや……それはさすがにぼうっとしすぎじゃ……。

竹田城
が、がおぉ……。

竹田城
……でも、ね。

竹田城
時々は、ぼうっとしてない時もあるんだよ。

虎臥城
……え?

竹田城
雲の流れは……すごく複雑で、奥が深い……。

竹田城
…………。(ころん)

虎臥城
お、お姉ちゃん……?
どうしていきなり寝転んでるの?

竹田城
ちょっと、虎臥ちゃんに指南……。

竹田城
ねぇ……ちょっとだけ、お姉ちゃんの隣で寝転んでみてくれる?

虎臥城
寝転ぶ?
べつにいいけど……こう、かな?

虎臥城
…………。(ころん)

竹田城
で、ここから見える四角い空を見つめてみて……。

虎臥城
……ん。
ちゃーんと見てるよぉ。

竹田城
じゃあ、あの右にみっつ並んでるのが、
殿や柳川城ちゃんたちだとする……。

虎臥城
…………。

虎臥城
……ちょ、ちょっと待って!
もう今の時点でよくわからないんだけど!

竹田城
戦略しゅみゅれーちょん。

虎臥城
ちゅみれーちょん?

竹田城
うん。春日山城さんがね……前に、躑躅ヶ崎館さんと一緒にやってたの。

竹田城
それの応用……。
……空を戦場として、雲を兵として見立てる。

虎臥城
おおっ! お姉ちゃん、なんだか戦術家っぽーいっ!

竹田城
……ふふん。
お姉ちゃんも日々進歩してるのです。

竹田城
それじゃあ虎臥ちゃん……。

竹田城
……よーく空と雲を見つめ、想像して。

虎臥城
想像……うん、がおっと想像するぅ!

竹田城
左に流れてきた厚めの雲が私、そして虎臥ちゃん。

竹田城
でもって、さらに後ろに続いている……あっちの雲が、
天空城仲間の岐阜城ちゃんに、海外のホーエンツォレルン城ちゃん。

虎臥城
ちょ、ちょっとまって、お姉ちゃん!

虎臥城
ほーえん……なんたらちゃんって、あたし知らないんだけどぉ!

竹田城
考えない……。

竹田城
……感じて。

虎臥城
いやいやいや! 感じる感じないの問題じゃなくない!?

虎臥城
っていうか、どうして変身してるのさ!?

竹田城
より実践的な、しゅみゅれーちょん。

虎臥城
が、がおぉぉ……。

虎臥城
――ええいっ! よく分からないけど、
お姉ちゃんが本気なら、あたしだってぇ!

竹田城
……あ。

虎臥城
やるからには徹底的にぃ!
お姉ちゃん、ちゅみれーちょんだかなんだか知らないけど、

虎臥城
勝負事なら受けてたつぞぉ!!

後半
竹田城

――という感じになるの。
どうかな。すごくタメに……なったかな?

虎臥城
あ、いや……うーん。なるにはなったんだけど。

虎臥城
雲の動きが遅すぎて、時間が掛かりすぎるっていうか何というか……。

虎臥城
それに……お姉ちゃんと寝転んでるだけで、もう一刻半も過ぎちゃったし、

虎臥城
想像疲れも相俟って、お互い大破しちゃってるのが、どうにも……うむむぅ。

竹田城
…………。

竹田城
……ほんとだ!?

虎臥城
気づいてなかったの!?

竹田城
が、がおぉ…………。

虎臥城
まぁ、そういうところも、
お姉ちゃんらしいから別にいいんだけどね。

虎臥城
――って、それよりさ! 今日のためにって、
あたしに送ってくれた手紙に書いてあったことは本当なの?

竹田城
え? 手紙?

竹田城
ああ、獅子王ちゃんにそっくりな形の雲を見つけたってやつかな?

虎臥城
ち、ちがうってぇ~!

虎臥城
ほら、ハヤシライスだよ、ハヤシライス!

虎臥城
今日はお腹いっぱい食べさせてくれるって話でしょ!

竹田城
……。

竹田城
…………あ。

虎臥城
あ――って何だよ、あ、って!

虎臥城
いま思い出した感がすっごいんだけどぉ!!

竹田城
んと、ハヤシライスっていうのはね、薄切りの牛肉と野菜類を炒めて、
トマト汁でぐつぐつ煮たものを白米の上にかけて食べるやつで――、

虎臥城
それくらいは、姉妹なんだから知ってるよぉ!!

虎臥城
そうじゃなくてね、あたしは今日、
お姉ちゃんの手料理が食べられると思って此処に来たのぉ!

竹田城
…………。

竹田城
……そんなに、私の料理……食べたいの?

虎臥城
うんっ! お姉ちゃんのがいいのぉ~!

竹田城
そっか……。

竹田城
……えへへ。

竹田城
じゃあ、久しぶりに頑張って作るね。

竹田城
実は、材料もね……今日のためにちゃんと用意してあるから……、

竹田城
所領のみんなの分も、今日はお姉ちゃんが全部つくるつもりなの。

虎臥城
えええっ!? お姉ちゃんって、そんなに頑張れる城娘だったの!?

竹田城
……それは、ちょっと言い過ぎ。

虎臥城
あはは、ごめんごめんって。

虎臥城
でも、楽しみだなぁ~。

虎臥城
美味しい夕餉をみんなと一緒に食べながら、
領内の城娘たちといっぱいお喋りができるんだもん。

虎臥城
お姉ちゃんの友達とも、仲良くなれたらいいなぁ♪

竹田城
……うん。

竹田城
そのためにも……。

竹田城
お姉ちゃん、頑張っておいしいハヤシライス……作るからね。

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